近年はブラック企業や人間関係が原因で、うつ病を発症してしまう人が増えているようです。
うつ病なんて自分には関係ないと思っている人も、もしかすると明日は我が身かもしれません。
もしも、自分がうつ病になってしまい、仕事ができないレベルまでに追い込まれてしまったらどうすればいいのでしょうか?
収入源がないし、明日からの生活どうしよう……と絶望してしまうかもしれません。
だからと言って休職せずに頑張ってしまうと、状況はますます悪化してしまうし……一体、どうすればいいのでしょうか?
でも、安心してください。
休職中でもお金を貰う方法はあるんです。
こちらのページでは、うつ病で働けない時に会社に伝えるべきことや、休職中にもらえる手当についてお話していきます。
うつ病で働けない状態になってしまったら?
一昔前と比べて、日本ではうつ病を発症する人が多くなっています。
うつ病は、精神論ではどうにもできません。
しかし、精神的に追い詰められているにも関わらず、うつ病に関する知識に乏しい上司から
「うつ病なんて言い訳や甘えだ。気合が足りないだけだ」
と言われてしまうケースも、少なからずあります。
その一方で、近年ではうつ病に関する特集がテレビで放映されるなど、うつ病に関する理解は広がりつつあります。
しかし、精神病に対して、未だに根強い偏見を持っている人たちがいるのも事実。
自分がうつ病であると気づいていても
「自分がうつ病なはずはない!」
と現実から目をそらしたり、仕事や周りの目を気にするあまりに、精神科を受診することを躊躇してしまうケースもあるかもしれません。
しかし、うつ病は気合いや精神力で乗り切れる病気ではありません。
辛い状況なら、周りにどう思われようと無理をせず、まずは自分の心と体をいたわり、しっかりと休養を取ることが大事です。
普段と違うと感じたら早めに精神科を受診しよう
うつ病にかかっていても、自分ではなかなか気づくことができません。
周りに指摘されたり、たまたま見ていたうつ病のニュースがきっかけで、
「自分ってうつ病かも……」
と、初めて心当たりが出てくるケースも多いです。
自分がうつ病であるかどうかを早めに見極めるためには、気持ちや体調に、いつもと違う点が無いかどうかチェックしてみてください。
下の表で、あなたに該当する症状はいくつありますか?
チェックしてみましょう。
【うつ度チェックをしてみよう】
2.泣きたい気持ちが続く
3.常に不安を感じる
4.何もしたくない
5.これまで楽しかったこと(趣味など)を楽しめなくなった
6.仕事などに対する集中力が無くなった、考えがまとまりにくいと感じる
7.自分は役に立たない、存在価値がないのではないかなどと感じてしまう
8.意味もなく焦りやイライラなどを感じる
9.なかなか寝付けない、眠れない
10食欲がない、味を感じない、今まで好きだったものもおいしくない
11.頭痛やめまいが続いている
12.動悸がする
※こちらのうつ度チェックは目安です。自分が本当にうつ病かどうかは、きちんと医師に診断してもらいましょう。
あくまで目安ではありますが、上記の症状のうち、4つ以上当てはまるのであれば、あなたはうつ病の可能性があるかもしれません。
うつ病というと気持ちが憂鬱になるというイメージがあると思いますが、心の症状よりも身体の症状が先に出てくる人も多いんですよね。
突然涙が出てくる。
何かがおかしい……
このように感じたら、仕事を休んで精神科やメンタルクリニックなどを受診しましょう。
うつ病などの心の病と判断されたら、診断書を出してもらえば仕事を休職する手続きができます。
診断書の発行には数千円程度かかりますが、診断書を提出することで、長期にわたって仕事を休職することが可能です。
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うつ病になってもすぐに仕事を辞めないで休職しよう
うつ病と診断されたら、医師に診断書を出してもらい、まずは「仕事を辞めずに休職」するのが良いでしょう。
心が病気になっている状態で、重大な決定を慌てて下してしまうと後で後悔することになるかもしれません。
仕事を辞める事自体はとても簡単です。
しかし、辞めた後が、色々と大変になってしまいます。
まず、仕事をやめると、収入が途絶えます。
仕事をやめて転職活動をしよう!
と思い立ったとしても、転職活動にもお金がかかります。
うつ病になり冷静な判断ができないまま、次の仕事を探すというのも厳しいのではないでしょうか。うつ病になった場合、しっかりと時間をかけて療養する必要があります。
辞めるのか、辞めないのか。
行動を起こすのは冷静な判断ができるようになってからでも遅くはありません、
もし可能であるならば、まずは、仕事を辞めずに休職しましょう。
次の項目では、休職中にお金をもらう方法についてお話していきます。
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うつ病で働けない場合、傷病手当金の申請をしよう
うつ病で休職している間は、一般的には会社から給料や賞与は出ません。
(中には給与が出る会社もあるようですが)
ですが、有給休暇が残っている場合には、有給休暇を休職中に消化することによって、給料をもらうことができますよね。
とはいえ……
うつ病で休職中に有給休暇を利用できると言っても、1年間に取れる有給休暇の日数は限られています。
ですから、有給休暇を全て使い切ってしまうと、それ以降、会社からの収入は途絶えてしまうことになるのです。
では、もし、有給休暇を使い切ってしまってからはどうやって収入を得たらよいのでしょうか。
ここで、ぼくは、以下のようなことを提案してみます。
有給休暇が無くなってしまったら、健康保険の「傷病手当金」を受給することを考えるのです。
傷病手当金とは?
傷病手当金とは、
「業務外の理由によって起こった病気やケガによって、仕事を休む際の生活費の支援を行うための制度」のことです。
うつ病も、傷病手当金をもらうことのできる病気の一つ。
つまり、うつ病になって休職しても、傷病手当金の申請をすることで収入を得ることができるのです!!!
健康保険の被保険者が病気、ケガなどを理由に仕事を3日以上続けて休んだ場合に、4日目以降から最長で1年6ヶ月支給されます(支給開始から1年6ヶ月)。
この傷病手当金を利用すれば、生活費に関しての不安が、かなり軽減されるのではないでしょうか。
ただし、仮に途中で出社した日があった場合、出社した日数も1年6ヶ月に含まれるので気をつけましょう。
傷病手当金がもらえる条件は?
傷病手当金をもらうには、以下の5つの条件を満たしている必要があります。
【傷病手当金の受給資格5つ】
②業務外の理由による病気、ケガの療養をするための休業である
③病気やケガのために仕事ができない状態である
④「連続する3日」を含めて4日以上仕事ができない場合
⑤休業中に給料が支払われていないこと
それでは、一つ一つ簡単に解説していきます。
……傷病手当金を受給するためには、まず、会社員などで健康保険の被保険者になっていることが条件です。
自営業者などが加入している国民健康保険の被保険者の場合には対象にならないため注意してください。
ただし、2020年12月現在、新型コロナウイルス感染症に感染するなどした国民健康保険の被保険者は、傷病手当金を支給してくれる場合があります。
給与の支払いを受けている国民健康保険の人も、傷病手当金がもらえる可能性があるのです。
なので、新型コロナウイルスに感染した人で生活に困っているのであれば、近くの市区町村に問い合わせてみるのも良いかと思います。
(ただし、自営業・フリーランスの人はもらえない可能性が高いです)
……うつ病で自宅療養する場合にも対象となります。
……医師から、仕事をできる状態ではないという診断をされていることも条件となります。
実際に労務不能であるか否かは、医師の判断と、被保険者の業務内容などから判断されます。
……傷病手当金が支給されるまでの待期期間は3日間となります。
3日連続して会社を休むと待期期間が成立します。
休業している間会社から給料が支払われている場合には、傷病手当金をもらうことはできません。
有給休暇をもらいながら傷病手当金をもらおうと考えた人もいるかもしれませんが、有給休暇を取っている期間には傷病手当金はもらうことができません。
支給される傷病手当金はいくらくらい?
傷病手当金は、普段もらっている給料と同じ額を支給されるわけではありません。
ざっくりと言うと、1日当たり「標準報酬日額の3分の2の金額」が支給されます。
標準報酬日額とは、標準報酬月額を1ヶ月あたりの日数で割った金額。
すなわち、標準報酬日額は、ざっくりと計算した毎日の給料と考えれば、大丈夫でしょう。
それでは、実際に計算してみましょう。
【例:標準報酬月額が27万円の場合】
270,000÷30日=9,000
→標準報酬日額は9,000円
9,000円×3分の2=6,000円
→傷病手当金の1日当たりの金額は6,000円
仮に、この人が30日間仕事を休んだ場合はいくらもらえるのでしょう。
30日から待期期間の3日を引いて、傷病手当金がもらえる日数は27日。
もらえる傷病手当の総額は
6,000円×27日=162,000円
となります。
傷病手当金の申請をするには?
傷病手当金の申請をするためには「健康保険傷病手当金申請書」が必要です。
申請書は、全国健康保険協会のホームページからダウンロードができます。
申請書は、医師から書いてもらう欄や、事業主から書いてもらう欄があります。
一般的には、医師から記入してもらった後、会社に提出して事業主の欄を記入してもらいます。
その後、会社経由で全国健康保険協会に申請書を提出し、傷病手当金の申請をするということになります。
まずは健康保険に加入している協会に問い合わせをし、どのようにしたらよいか指示を仰ぐようにしましょう。
電話番号は、健康保険証に書いてありますよ。
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まとめ
うつ病になるとすぐに仕事を辞めてしまおうと考える人も多いかもしれませんが、それだと直近の収入源が途絶えてしまう恐れがあります。
そのため、まずは辞めずに休職することをおすすめします。
休職して、ゆっくりと心と体を休め、自分と病気と向き合いましょう。
仮に、うつ病で働けなくても、会社の有給休暇を利用したり、健康保険の傷病手当を利用したりすることによって、収入を確保することができるはずです。
あまりお金の心配をせずに、ゆっくりと休むことが大切です。
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興味がある方は参考にしてみてくださいね。

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